文章力≒読者誘導力

対話型という文章法がある。
相手が受け答える言葉を受けて説明をつけていくもの。
常識的で簡単な内容だとあまり効果を発揮しないが、複雑でどこから考えれば良いのかわからない内容だと抜群の効果を発揮する。
哲学問題とか、プログラム、論理術などの書籍でたまに見かける。
だいたいの場合、博士的な人と、素人助手みたいな人のやり取りになるが、この助手の理解力が読者よりも高すぎると無意味だし、低すぎたら中々話が進まず怒りを買うので、中々難しいものではある。
この対話型というのが文章を書く上で基本となる。著者が1人語りする形式であっても、読者と対話するつもりが無ければ文章は意味不明になりがちだからだ。そういう書籍をありがたがる風習というものもあるが、ここではそういうマニアックな趣味嗜好はおいておく。
とりあえず、入門的なタイトルなのにまったく理解ができない内容の書籍はこの「対話」の感覚が無いと言える。
結論を言うと、読者を想定し、自分が書いた内容に対して、読者がどういう疑問を持つのか、反応するのかの想像が上手い人が文章が上手い人だ。
ここでいう文章の上手さは語彙とか、文法の正確さではなく、「読んでいて内容がすっと頭に入ってくる」という類いの上手さだ。 表現は平板なのに言う事が凄くわかりやすいという感じの文章。
だが、その読者の反応を予想して説明しているだけだと著者の言いたい事が伝えきれない。だから、読者を気付かれないように誘導する必要がある。
誘導の細かいテクニックはここでは触れないが、微妙なニュアンスによるものだ。
文章が上手くなりたいと思うなら、この読者誘導力を身につけるべきだ。
7/27/2014
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